
日産自動車は今、経営戦略の大きな転換点に立たされています。かつて「技術の日産」と称され、革新的なクルマづくりで存在感を放っていた同社ですが、ここ数年は激動の時代を迎えています。カルロス・ゴーン元会長の退任劇以降、ガバナンスの立て直しやブランドイメージの回復に苦戦する中、世界的なEV(電気自動車)シフトという新たな波が押し寄せているのです。
日産はすでにEV「リーフ」を世界に先駆けて投入し、その分野では一定の先行者利益を得てきましたが、今やテスラやBYDといった新興勢力が市場を席巻。これに対抗すべく、日産も2020年代後半までに複数の新型EVを投入予定です。
加えて、ルノー・三菱とのアライアンスの再定義や、欧米・中国など各国の市場戦略の見直しなど、経営の軸となる判断が次々に求められています。収益性を高めながら、どこに資源を集中させるか――まさに「選択と集中」がカギとなる局面です。
かつての栄光を取り戻すために、今の日産には柔軟かつ大胆な経営判断が求められています。果たしてその未来は再び「技術の日産」と呼ばれる日が来るのか、注目が集まります。
日産復活のカギは“選ばれる新型車”にある?過去と現在から未来を占う
「日産復活」は本当にありえるのか?これは多くの投資家や自動車ファン、そして一人のユーザーとして私自身も気になっているテーマです。
かつて日産は、「技術の日産」としてトヨタと並ぶ存在感を放ち、90年代にはGT-RやフェアレディZなど、数々の名車を世に送り出してきました。しかし経営不振により1999年、フランスのルノーとアライアンスを組み、カルロス・ゴーン氏の「日産リバイバルプラン」で一時的に奇跡のV字回復を果たしました。
ところがその後は、ガバナンスの問題やグローバル競争の激化に直面。特に電気自動車(EV)の分野では、テスラや中国勢の台頭により、存在感がやや薄れつつありました。
そんな中、日産の未来を左右する大きなカギとして注目されているのが「新型車のヒット」です。近年では、電動SUV「アリア」やe-POWER搭載の「ノート」といった先進的なモデルを市場に投入し、一定の評価を得ています。特にe-POWERは、エンジンで発電しモーターで走る独自の電動駆動技術で、燃費性能と快適性を両立しており、多くのユーザーに支持されています。
さらに、ZやGT-Rといったブランド力のあるスポーツカーのリニューアルも、日産らしさを再び印象づける戦略のひとつといえるでしょう。新型エルグランドのデザインが一部公開されるなど、復活の兆しも少しずつ見えてきています。
個人的には、大型車だけでなく、トヨタのシエンタやホンダのフリードのようなファミリー層向けのモデルもラインナップに加わってくれると嬉しいところです。そうした“生活に寄り添う日産車”こそが、多くの人にとって「選ばれるクルマ」になり得るのではないでしょうか。
日産が再び輝くためには、過去の栄光にとらわれず、現代の変化とニーズにどう応えていくかが問われています。復活のシナリオは、すでにゆっくりと、しかし確実に描かれ始めているのかもしれません。
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